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アメリカ不動産フランチャイズはなぜ成長する?中古住宅が「資産」となる市場構造(後編)

April 20, 2026

前編では、アメリカの不動産フランチャイズについて、日本との違いを交えて整理しました。ここからは、アメリカで中古住宅が「資産」になる構造を見ていきましょう。

アメリカ不動産フランチャイズはなぜ成長する?中古住宅が「資産」となる市場構造(前編)

日本の「空き家問題」対策

国土交通省の資料によれば、いわゆる「空き家問題」への対策として中古住宅流通・リフォーム市場の環境整備が進められています。その結果、日本の既存住宅流通シェアは2013年から2023年の10年で30.8%から40.4%に上昇しています。しかし、近年改善しているとはいえ、依然として欧米と比べて流動性は低い水準にとどまっています。

新築が好まれる日本

背景には歴史的な要因もあるのではないでしょうか。日本では戦後の復興や耐震性の観点から住宅を更新していく必要性が長らく意識されてきました。こうした背景が恐らく、新築=良いという消費者マインドを形成してきたと考えられます。

税制が与える流通の流動性

住宅関連の税制も住宅市場に影響を与えています。アメリカでは、居住用住宅の売却益について最大50万ドルまで非課税となる制度(Section 121 exclusion)があり、売却時の税負担が軽減されます。この仕組みによって住み替えのハードルが下がり、住宅の売買が活発になります。

変わる日本の制度

一方日本では、上記のような歴史的背景もあってか、住宅ローン控除は新築が有利であったり、固定資産税が新築の場合は軽減措置があるなど、税制面で新築が優遇される構造でした。しかし「空き家問題」への対応として、新築の優遇措置が、省エネ住宅といった環境に対する性能や、長期的に良好な状態で住めると認定された高機能な物件にシフトしています。住宅ローン減税や借入額の優遇も見直されたことで、中古物件にお得感が出てきています。

それでも「資産」にはならない?日本の住宅

こうした日本の制度改革により一定の改善はみられるものの、中古物件はお得感の拡大にとどまっているように見えます。アメリカのように、売却益非課税制度(Section 121)を背景に、個人が資産価値の上昇を享受しながら住み替えを繰り返す構造とは依然として違いがあるようです。

<FTJ Comments>

日本では住宅が長期的に価値を維持する「資産」というよりも、一定期間で更新される「消費」に近い性質を持ちやすいと言えます。

不動産ビジネスに話を戻すと、アメリカでは住宅が資産として循環することで、エージェントが顧客に売却や住み替えを提案し、市場を動かす役割を担います。一方、建物の価値が減少しやすい日本では住宅取引が単発にとどまりやすく、仲介人が継続的に関与する余地が相対的に狭くなってしまいます。

住宅を「資産」と捉えるか、「消費」と捉えるか。この違いは制度の差だけではなく、誰が市場を動かすのか、という構造の違いであるということが整理出来たのではないでしょうか。そしてこの違いこそが、日米の不動産フランチャイズを大きく異なる構造にしていると言えるでしょう。

(尚、本稿は各種公開情報をもとに市場構造を整理したものであり、地域や個別条件によって状況は異なる場合があります。)

参考資料

既存住宅市場の整備・活性化に向けて(14ページ)

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000289.html

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001849549.pdf

Capital Gains Tax on Home Sales: How Taxes on Real Estate Work in 2026

https://www.nerdwallet.com/taxes/learn/selling-home-capital-gains-tax

2026年(令和8年)から改正される「住宅ローン減税制度」

https://sfc.jp/ie/fund/column/20260224.html

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