

これまでアメリカでYoshinoyaブランドを直営・フランチャイズの双方で展開してきた日本の牛丼チェーン吉野家ホールディングスが、アメリカのラーメンチェーンKizuki Ramen & Izakayaを子会社化すると発表しました。
吉野家HDでは、ラーメン事業の海外展開を強化しており、その中でもアメリカ市場を重視しています。吉野家HDはアメリカ子会社を通じ、Kizuki Internationalの持分70%を取得する契約を結びました。取得額は2,870万ドルです。
Kizukiは2012年に台湾系アメリカ人のイー・チェン・ティン氏 がワシントン州シアトルで創業し、現在はワシントン州11店舗、オレゴン州3店舗、テキサス州・インディアナ州・カリフォルニア州に各1店舗を展開しています。また、シアトル・テキサス・サンフランシスコの3か所に自社工場を有し、多店舗展開を支える供給体制を構築しています。直営店が主体ですが、フランチャイズ展開の実績もあります。
これまでアメリカ市場のニーズをとらえたメニューや店舗フォーマットを確立してきた創業者のイー・チェン・ティン氏はCEOとして経営を続ける方針で、吉野家HDは現地でのブランド力、店舗網、工場、経営陣、チェーン運営基盤を一度に取得したことになります。
ワタミグループは2024年にネバダ州ラスベガスに拠点を置くSONNY SUSHI COMPANYの寿司の加工・ケータリング事業を取得しました。 SONNY SUSHIはホテルやカジノのビュッフェに寿司のケータリング、スーパーマーケット向けにパック済みの寿司を販売するサプライヤーです。
現地のホテル業界と密接な関係にあるSONNY SUSHI COMPANYの寿司の加工・ケータリング事業を買収したことで、ワタミグループは今後ホテルのみならず、コンベンションセンターやスポーツ施設における寿司のケータリング事業も視野に入れています。
さらにワタミグループは、今年5月にサンフランシスコ発のおにぎりブランドOnigillyの株式51%を取得しました。この買収により、ワタミグループはOnigillyの直営・フランチャイズ両面での全米展開を目指します。
Onigillyは2008年に日本人起業家、金松孝司氏がサンフランシスコで創業しました。2025年にフランチャイズ展開を開始し、現在はカリフォルニア州のベイエリアを中心に7店舗を展開し、南カリフォルニアなどでFC出店を進めています。
日本の外食チェーンにとって、アメリカ市場への進出はハードルが高いのが現状です。しかし、今回紹介した日本企業2社のアメリカ事業拡大戦略からは、自社ブランドを一からアメリカ市場に投入するのではなく、現地で基盤を築いたブランドを買収してアメリカ事業を拡大する動きが見られます。
M&Aにより、人材確保や店舗開発、サプライチェーン構築、市場理解にかかる時間を短縮できる一方、既存ブランドの独自性を守りながら、日本企業の経営モデルとどのようにバランスをとり、融合していくのかが今後注目されます。
情報元:
Yoshinoyaparent acquires Seattle-based Kizuki Ramen & Izakaya(Nation's Restaurant News)
吉野家ホールディングス、米国のラーメン事業「Kizuki」をグループ会社化(PR times)
吉野家、米国でラーメン事業強化 運営会社を46億円で買収(Reuters)
ワタミIR情報2024 年4月8日
ワタミ株式会社第40回定時株主総会
===
米国進出、日米FCビジネスにご興味がある方は、
I. Fujita International, Inc( ichiro@ifujita.com )までお問合せ下さい。