フランチャイズタイムズ・ジャパンでも度々アメリカでのコーヒーのトレンドやコーヒーチェーンについて取り上げていますが、コーヒーショップ業界はかつてないほど競争が激化しているとレストラン情報メディアNation's Restaurant News(NRN)が取り上げています。
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NRNによると、スターバックスはこれまでほどコーヒー業界を支配するような存在ではなくなっています。また、ドーナツチェーンでありながらコーヒー市場のシェアを獲得していたダンキンドーナツも低迷しています。Dutch Bros(ダッチ・ブラザーズ)や7Brew(7ブリュー)といった今トレンドのドライブスルー・コーヒーチェーンが勢いを増し、さらにその他の新興ブランドが市場シェアを奪いつつあるからです。
情報調査会社のPlacer.aiの最新データによると、コーヒー業界はここ数年目覚ましい業績を上げており、2024年第4四半期の来客数は2019年第1四半期の水準を29.1%上回りました。 コーヒーチェーンへの来店数は米国内のほぼ全域で前年比から増加しており、特に中西部と南部の一部地域で顕著な増加が見られました。これらの地域は、7ブリューやダッチ・ブラザーズといったドライブスルーチェーンが成長している中心地でもあります。また、過去5年間で、小規模コーヒーチェーンの来店客数シェアは3.2%から4.4%に増加し、中規模チェーンは10.8%から17.6%に急増しました。その結果、最大手であるスタバとダンキンの合計シェアは、2019年の85.9%から、2024年には77.9%に低下しました。これら大手2社は依然として市場を支配していますが、消費者は大手チェーン以外の選択肢を模索しているようにも見受けられます。
コーヒーショップへの来店客の行動も進化しており、ドライブスルーやモバイルオーダーの受け取りと、カフェでの長時間滞在という、二極化が生まれています。Placer.aiによると、過去1年間で大規模および中規模チェーンでは10分未満の短時間の来店が増加したのに対し、小規模チェーンでは短時間の来店よりも長時間の来店が大きく増加しています。
コロナ禍を経て、椅子やテーブルを排除したお持ち帰り専門店舗を増やしたスターバックスでしたが、人々が待ち合わせたり、勉強したりする場所としての役割を再び取り戻すことで、業績悪化に歯止めをかけようとしています。
Placer.aiはこの調査を受けて、「スピードと利便性を提供するコーヒーショップもあれば、リラックスしたパーソナルなコーヒー体験を求めるニーズを満たすコーヒーショップもあります。経済の不確実性が続く中にありながら今後も継続するであろう手頃な贅沢品に対する消費者の需要と、コーヒーショップがさまざまなニーズに対応できる市場であるという利点を浮き彫りにしています」と報告しています。
情報元
Here’s why Starbucks and Dunkin’ are losing share in the coffee category(NRN)
Coffee Visits: Perks in The Segment(Placer.ai)
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