

米タイヤ販売チェーンのRNR Tire Express(RNRタイヤエクスプレス、以下RNR)がレストラン事業に参入します。タイヤとカスタムホイールを扱うRNRは現在、全米で200店舗以上を展開するフランチャイズ小売企業です。同社は新たに、複数のフランチャイズブランドを統括する「DX3 Brands(DXスリーブランズ)」を設立しました。その第一弾として、ダイニング・エンターテイメント型フランチャイズ「Gigglewaters(ギグルウォーターズ)」をポートフォリオに加えました。
今回の動きは、タイヤ小売業からレストラン業界への参入として、注目されます。
2000年創業のRNRは、柔軟なリースモデルを強みに2003年からフランチャイズ展開を進め、現在は31州で200カ所以上を展開しています。同社はこの25年間で蓄積した運営ノウハウを活用し、異業種のブランドを取り込むことで、フランチャイズ展開による事業領域の拡大を図っています。
この取り組みについてRNRは、単一ブランドのフランチャイズから複数ブランドの成長を支援するマルチブランドフランチャイズへ転換した、と説明しています。
ギグルウオーターズは、フルサービスレストランとバー、32席の映画館を一体化させた没入型エンターテイメント施設です。2018年に設立され、2021年からフランチャイズ展開を開始しました。1920年代のスピークイージーをイメージした空間で、食事と映画鑑賞を組み合わせた体験を提供します。
映画に登場する料理を再現して提供するイベント「シネマ・サパー・シリーズ」は特徴的な取り組みとして、メディアでも取り上げられています。
RNRの事例は、単なる異業種参入にとどまりません。フランチャイズの成長が「自社ブランドの拡大」から「複数ブランドのポートフォリオ化」へと変化していることを示しています。
これまでの外部ブランドを取り込みスケールさせる動きは、大企業やプライベートエクイティ、マルチフランチャイザーが行ってきました。しかし近年では、出店・運営インフラやノウハウを持つ企業が、その領域に参入し始めているのです。これまで単一ブランドでフランチャイズ展開を行ってきた企業による新たな動きです。
日本でも、SUNPARK(サンパーク)のように、外部の複数ブランドを展開しながら、Takagi Coffeeや火山ラーメンなどの自社ブランドのフランチャイズ化を進める企業は存在します。しかし、自社ブランドの拡大やM&A、海外ブランドの導入が中心で、業種をまたいでブランドをポートフォリオとして取り込む事例は、日本では限定的です。
RNRは200店舗規模と、店舗数だけを見ると突出しているわけではありません。しかし今回の事例は、店舗数の拡大ではなく、自社のインフラやノウハウを他ブランドへ展開し、ブランド力を高めながら成長するという新たな戦略です。フランチャイズ企業の新たな成長モデルとして注目すべき事例です。
情報元:
RNR Tire Express Launches DX3 Brands as New Multi-Brand Franchisor(PR Newswire)
RNR Tire Express
https://rnrtires.com/about-us/
RNR Tire Express debuts multi-brand company with 1920s-inspired restaurant(Nation's Restaurant News)
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