フランチャイズニュース

BY NICHOLAS UPTON

レストラン再開の難問と新しい正常化の始まり

Reopening a Conundrum Across Limited-Service Spectrum

ジョージア州が先週イートインレストランの再開を含む発表をしたとき、州民のリアクションは「何?早すぎるだろうが」と「ようやくだね!」と 2つの陣営に分かれたのではないか?さらに多くの州や地域が正常化に戻る動きを見せている。レストラン経営者は、この全く相反する考えの客を相手に、そして新たな規制や消費者の傾向に対応していかなければならないだろう。

GPS ホスピタリティ (ポパイ、バーガーキング、ピザハット等のホールディング会社)の場合は再開の準備と決断は比較的に容易だった。というのは、傘下のバーガーキングやピザハット等を通してイートイン以外にテークアウトやドライブスルーなど様々なサービス方式を経験してきたからだ。

「うちの客たちはデリバリーとかドライブスルーに慣れていますからね。ですから、イートイン店の場合はテークアウトタイプのサービスをもっと店内外でプロモートします。」と同社のマイケル・リパート社長は答えている。客席の空間とドライブスルーの窓に仕切りを設置し、お客がソーシャルディスタンスを保つようにしている。客とスタッフ両方に安全だと感じてもらうことが重要なのだ。清掃も以前に増して頻繁に行う。それでも、客席に座るのを躊躇する客は大勢出てくるとリパート社長は予想している。

GPS のようにファーストフード主体のレストランはそれで済むかもしれないが、複数の客が集まって楽しむパブやファミレスなど客席ビジネスが主体の飲食店はどう対応すればよいのか?テークアウトやデリバリーとは違い、はるかに大勢のスタッフがイートイン営業には必要になる。しかも客席同士の距離を遠ざけなければならない。


テキサス州は収容キャパの 25%以内とする制限を設けイートインレストランの再開を許可した。客は安心できるが、レストラン側は果たして利益が出るだろうかと心配になる。客の絶対数が損益分岐を超えないかもしれないからだ。他州も似た制限を設けて再開を通告していくものと予想される。

フロリダ州は今日4月29日に再開制限の詳細を発表する予定だ。しかし、ハンバーガー、フレンチフライ、串焼きを主メニューにする8店舗を展開するファーストフードチェーン Pincho(8店舗を展開)のオーナーは知事が何を言おうと閉店を継続するという。理由は従業員の安全と生命を守るためだ。命の危険を冒してまで働く従業員はいないとしている。同チェーンはバーを併設しているのでどっと人が集まる。人ば集まれば誰も安全の保証はできない。

カリフォルニアをベースにする Dog Haus飲食チェーンの創立者アンドレ・バーナーは、早すぎるオープンは本部にとっても加盟店にとっても大きな財務上の問題を生じさせると言う。ここは醸造ビールをサーブするパブレストランだ。ソーシャルディスタンスどころか大勢の集会場所として人気を博してきたレストランである。客が大勢戻ってきたときのリスクは計り知れない。

再開する準備といっても各レストランの業態によってかくも対応方法が違ってくる。レストラン形態の違い、客の安全、従業員の安全、店舗のレイアウト変更、シフトの組み方、財務管理までありとあらゆる局面で以前とは全く異なる新たな「正常化」が飲食業界で始まろうとしている。

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