フランチャイズニュース

アメリカでついに 日本人起業家によるおにぎり店がFC開始①

October 20, 2025

テック業界出身の創業者による、おにぎりスタートアップ

2008年にサンフランシスコで兼松幸治さんによりおにぎり店としてスタートしたOnigillyが、創業18年にしてフランチャイズを開始しました。大学卒業後テック企業に就職し、共同創業者としてスタートアップを経験するなど2006年にテック業界人として渡米した兼松さん。このテック業界の経験がOnigillyをここまで成長さたと彼はいいます。システムデベロッパーとして沢山のプロジェクトをシステム化してきた経験が、Onigillyをスケーラブルなビジネスへと昇華させることができたのです。

おにぎりを引っ提げてフードインキュベーションプログラムに参加

兼松さんは当時から起業家精神に溢れていますが、Onigillyのことは当初それほど真剣に取り組んでいなかったと振り返ります。しかしあるときから、ヘルシーで手軽なおにぎりをアメリカ全土に広めたいと思うようになりました。

はじめはファーマーズマーケットでテントを張っておにぎりを販売していました。アメリカに来たばかりで信用実績に乏しく、たとえ良い店舗スペースを見つけたとしても取り合ってもらえませんでした。そこで、サンフランシスコのNPO法人によるフードインキュベーションプログラムに参加し、資金調達とトレーニングの機会を得て、その後、ファーマーズマーケットのテント販売からフードカートへと一歩前進し、実店舗へと少しずつスケールアップしていきました。

ニッチ商品おにぎりの検証フェーズ

一から自分でシステム構築しなければ、全体像をつかめず、後々の修正もききません。テントを張って衛生管理から一日を始めていたのが良い例で、何もないところから始めてマニュアル化する。この考え方は彼がシステム開発者時代に身に付けたものです。

更に、おにぎりがアメリカ市場に定着していない段階で、いきなり店舗を持たずにフードカートで場所に柔軟性を持たせたことは、ニッチ商品のおにぎりにとってよい戦略だったと兼松さんは話します。

競合がいないことの苦労

兼松さんはおにぎりをサンドイッチに代わるものと位置づけ、ランチ需要を狙ってサンフランシスコのオフィス街に限定して拠点を増やし、コロナ禍までに5店舗に拡大しました。この10年でアジア系ファストフード分野の状況はかなり変わりましたが、クリエイティブで新しいものを許容するサンフランシスコという土地柄とはいえ、2008年当時どれだけのアメリカ人がおにぎりを知っていたでしょうか。たとえOnigillyの近くに寿司店が開店したとしても客足に影響無かったというほど競合がない一方で、おにぎりの認知度があまりに低く市場を啓蒙することに苦労したと兼松さんは言います。寿司がきっかけでおにぎりに興味を持つ人が出てくる一方、寿司との区別がつかず、おにぎりを“新鮮じゃない寿司”と思う人もいたようです。

後半に続きます

おにぎりは絶対にアメリカで受け入れられる。そう思っていた兼松さんでしたが、日本的なおにぎりのままではアメリカの大衆には受け入れてもらえないことに気付きます。しかし、どこを修正したらよいのか、あまりにもおにぎりに慣れ親しんでいる日本人の兼松さんが理解するのは難しかったようです。後半はOigillyが如何にして今のおにぎりにたどり着いたか、そして今後の展開をお伝えします。

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