

韓国最大級約1300店舗を展開するハンバーガーチェーンのロッテリアが、今年8月にアメリカ1号店を開店しました。場所はディズニーランドや大谷も在籍したエンジェルススタジアムなど有名レジャースポットを擁するロサンゼルス郊外のアナハイムです。
ロッテリア米国1号店に選ばれた立地は、超級ともいえるファストフード界の競合、チキンサンドイッチのChick-fil-A(チックフィレ)やチキンフィンガーのRasing Cane’s(レイジング・ケーンズ)、LAで最も親しまれているハンバーガーチェーンIn-N-Out Burger(イン・アウト・バーガー)が軒を連ね、車で5分の距離にはマクドナルドもある激戦区です。オープン当初はドライブスルーで3時間待ちの大行列ができ、話題となりました。
日本のロッテリアは2023年からゼンショーホールディングスの傘下となっており、以来ゼッテリアにリブランドが進行中です。韓国ロッテリアは国外ではベトナム、ミャンマー、ラオス、モンゴルに展開しており、マレーシア、シンガポールでも近くオープン予定です。
アメリカで一大ジャンルを築いているKポップですが、ロッテリアが進出済みのアジアではKポップアイドルがそのままPRキャラクターに起用されている国があるため、アメリカでも今後このようなキャンペーンが予想されます。現在ロッテリアUSAは「ザ・オリジナル・Kバーガー」をキャッチコピーに、プルコギ・バーガー、シュリンプ・バーガーを主力メニューに、ライス・バーガーやボウル、チキンナゲット、デザートに韓国のかき氷ピンスを提供しています。お店の外観にあえて韓国語を使用するなど、Kカルチャーを前面に押し出しているのが印象的です。
Kポップに留まらず、アメリカでの韓国系ビジネスはQSR業界でも着実に力を付け拡大しています。2018年ニュージャージーで創業した韓国焼肉と火鍋の食べ放題メニューを提供するKPOTは7年で120店舗に成長しましたが、そのうち100店舗以上を直近の3年間で拡大しました。現在35州で展開中ですが、直営店はニューヨーク郊外の1店舗のみです。
ビビンバをカジュアルなボウルスタイルで提供するBIBIBOP Asian Grill(ビビバップ・アジアン・グリル)は今年中に加盟店が80店舗増えると予想されており、また、韓国のストリートフードをカップに入れて提供するCUPBOP(カップボップ)も加盟店が70店舗を越えました。
甘辛タレで食べる韓国フライドチキンはアメリカでも大人気で、コリアンチキンとして米国チキン業界のサブカテゴリ―としての地位を確立しています。2014年に米国進出したbb.q Chicken(バーベキュー・チキン)は今アメリカで200店舗以上を展開しています。2006年に米国進出したBonchon(ボンチョン)はバーチャルキッチンからフルサービスレストランまで多様な出店スタイルを提供するフランチャイズシステムを確立しており、全米に150店舗以上の加盟店を拡大しています。
ロッテリアUSAに話を戻すと、値段と質が合っていないなど、客たちの厳しいコメントもあります。また、アジアの既存店舗での食事を懐かしんで訪れる既知の顧客も見受けられます。一方、日本のテリヤキが受け入れられたように、韓国の甘辛い味付けがアメリカ人に歓迎されるのは容易に想像できます。今後は如何にアメリカで新たなファンベースを確立するかが注目され、フランチャイズを開始するのも時間の問題かもしれません。
情報元
South Korea’s Biggest Burger Chain Just Opened Its First U.S. Location in Orange County
Korean dining chains sweep across US, boon for K-sauce
How KPOT Korean BBQ & Hot Pot Opened Over 100 Locations in Three Years