フランチャイズニュース

Ken Ishiyama

クラブピラテスジャパン奮戦記そしてポストCOVID-19

May 8, 2020
直営1号スタジオとなった Club Pilates Yebisuの正面シーン

2019年4月、株式会社 Club Pilates Japanはプレス発表を通じ、 米国Club Pilatesのマスターフランチャイジーとして10年以内に 165スタジオのオープンを目指すと宣言した。

簡単に米国Club Pilatesの概要を説明しておこう。2007年設立、CLUB PILATESは年齢やフィットネスレベルを問わず、12台の機器と1つのプライベートルームからなるReformer(リフォーマー)ベースの筋力トレーニングクラスを専門とするブティックフィットネススタジオである。カリフォルニア州 Irvineに本拠地を置く同社は急成長を遂げ、 2019年末には合計650スタジオをオープンしている。また、CLUB PILATESは、TRX、TriggerPoint、およびBarreとともにグループピラティスのリフォーマークラスを安全提供し、徹底的にプログラムされた500時間にも及ぶインストラクター養成プログラムを作成した最初のピラティススタジオでもある。

フランチャイザーの全面的なバックアップ、ほぼ競合のいない日本のリフォーマーピラティス市場などを考慮すれば、クラブピラティスジャパンが掲げた当初の目標 165スタジオは十分に現実味があると考えられた。事実、その後1号店を恵比寿の一等地にオープン(写真参照)、複数スタジオ契約を希望する10社近くの候補者が手を挙げていた。加盟1号店が早くも江ノ島に完成する。加盟店2号スタジオも麻布十番にオープンが決まっていた。いわゆる「プリセール」(スタジオオープン前の会員募集マーケティング)を通じても尾上 COOは「クラブピラティスの新記録を目指す!」と意気込んでいた。すべては最高のスタートになるはずだった。

COVID-19に立ち向かう

Club Pilates Yebisuが正に会員募集のためのマーケティングを本格的に開始したとき、COVID-19(コロナウイルス)が勃発した。ブティックフィットネスは大型ボックスと異なり、少人数を対象にグループクラスを行う小型フィットネスクラブである。Club Pilatesの場合1回のクラスは12名がマックス、しかも各自がリフォーマー上でトレーニングするのでメンバー同士の距離はそこそこ離れている。しかし、外出自粛や小売店やレストラン閉鎖に始まり、さらに非常事態宣言によって状況は一変した。密閉された空間で汗を流すフィットネスジムは危険視され、スタジオのオープン営業は不可能になった。そこで考案されたのがオンラインクラスである。Club Pilatesに限らず多くのフィットネスブランドがやっているので、正直ここで差別化を打ち出すのはなかなか難しい。しかし、Club Pilates Japanの場合、米国本部と 600以上のスタジオが苦労しながら開発し実行している成功例から大いに学ぶことができる。例えば、スタジオクラスなら1回に教えられるのは マックス12名なのでインストラクターの1時間あたりの報酬はほぼ決まってくる。しかし、オンラインなら 20名でも30名でも参加できるので、普段より稼ぎのいい人気インストラクターが増えているほどだ。これはインストラクターにとって大きなインセンティブであり、コロナ以降も継続されるビジネスモデルになるのではないか。

オンラインクラスの一部を動画で紹介

300スタジオを視野に入れるClub Pilates Japan


今なお日本はコロナウイルスの最中にある。だが、Club Pilates Japanの尾上 COOから驚くようなコメントを聞いた。「日本No.1のマシンピラティススタジオになれるよう、2030年までに300店舗を目指し事業を大きくしてまいります。」と尾上氏はインタビューの冒頭で述べている。


CLUB PILATESは他競合あるいは他フランチャイズと何が違うのだろう?フランチャイズシステムの質、本部サポートの質、米国の加盟店オーナーの質、どれをとってもCLUB PILATESは非常にレベルが高い。ホールディング会社の Xponential Fitness が8つのフィットネスブランドを運営してきた経験、ノウハウ、人材力は1ブランドを運営する他競合にはない強みであろう。特に、ブランディングの浸透力、インパクトのあるプレゼンテーションには目を見張るものがある。


「ブランドマーケティングへの拘りも強く、高品質なプロモーションビデオやSNS用の素材などもターゲット層に強く響く非常にレベルの高いものになっています。この優れたフランチャイズシステムを、言語の壁、文化の違いを感じながら表現することはそう簡単なものではありません。」と尾上 COOはストレートに問題点を話す。しかし、「カリフォリニアの文化は日本人にも非常に受け入れられやすいので、日本でもアメリカと同様のターゲット層の獲得に成功しています。我々は、40代〜60代の女性の健康を約束し、元気で明るい日本社会を作りたいと思っています。また、高齢化社会によって近年負担が大きくなっている日本の医療費を少しでも削減するお手伝いをし、社会貢献をしていきたいと強く思っております。」と述べる尾上 COOは、コロナウイルス後の10年先、20年先を眺望しつつアクションプランを一歩づつ進んでいるように感じられた。

完成直後のクラブピラテス恵比寿スタジオ内で尾上彰 COO(左)と島袋直樹 CEO


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