フランチャイズニュース

Nicholas Upton

コロナウイルス禍のレストラン売上データを読み取る

Data Quantifies Cratering Restaurant Traffic

March 20, 2020

政府命令によりイートインレストランの大半が閉鎖されている現状では客足の激減は明白だが、客数と売上のダメージを正確に示す具体的な資料は余り開示されていなかった。以下はPOSからデータ分析をするMirus Insight社からのレポートである。(ただし、このデータは3月 18日までのものなので現在は更に悪化していると推定される。

多店舗チェーンのデータを参考にしているのだが、恐ろしいほどの激減だ。今年1月の時点で売上 3.86%増、客数2.42%増だった。これは天候に恵まれたことが幸いし、近年では最高の1月度の業績だったのである。2月も好調な滑り出しで売上も微増していた。しかし、それに先立つ2週間ほど前から新型コロナウイルスに対する懸念が広がり始めていた。3月に入るとニュースは新型コロナウイルス一色になった。この時期に手ひどい影響を受けなかったレストランはドライブスルーのみとなった。

3月中には売上、客数共に急降下を始め 3月18日には売上 57%減にいたった。下のグラフを参照されたい。


カジュアルダイニング(ハイエンドではないがテーブルサービスあり、チップ制ありの通常レストラン)の被害が最も大きかった。客席での感染を恐れた客が一気にクイックサービスと宅配に向かったからである。 3月2日から18日の間に予約数は 91%減った。

客足の変動を見ると消費者がスーパーから遠ざかり、周辺の小さなコンビニに行き始めたことも見てとれる。しかし、その現象を引き起こした最大の理由はマスメディアによる際限のないコロナウイルス・パンデミック報道であったといえる。以下のグラフを参照いただきたい。

上のグラフで明らかな通り、最大の被害者はカジュアルダイニングレストランである。全米平均で27%売上減(3月末現在は 50%を超える)となり、特に西海岸と北東部などウイルス発症が早く始まった地域に対する影響が大きい。それを受けて宅配ビジネス(デリバリー)が大盛況となっている。そして、これがレストランのライフラインになっており一部レストランによってはある週売上ゼロの状態からデリバリーのお陰で 100%アップしたケースもある。

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