FCレストラン業界のリーダーが如何に独自の味をフランチャイズにもたらしたかを3回にわたり特集しています。最後の第三回目は、寿司職人を経て陣屋ラーメンを創業時から支えアメリカに渡った日本人シェフです。
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子供のころ鍵っ子だった陣屋のシェフ武部和也氏は、8歳のころから家族のために料理をしてきました。現在も家族のために料理をしますが、彼の料理は幼少期と比べると、はるかに多くの人たちに届いています。
2000年に高橋知憲氏が日本で創業した陣屋ラーメンの副社長兼エグゼクティブコーポレートシェフを務める武部氏は、調理学校卒業後に名古屋の寿司店で寿司職人とマネージャーの両方として厨房で経験を積んだあと、その寿司店の新店舗の開店を監督するためにオーストラリアに移住しました。
日本に帰国後、東京に落ち着き次のキャリアステージが陣屋の開店となりました。創業者の高橋氏と共にブランドを育ててきた武部氏は、陣屋の創業時から欠かせない存在であり、はるばるアメリカに渡ってきたほどです。オーストラリアでの海外生活経験を活かし、アメリカにもすぐ適応しましたが、カリフォルニアで最初の陣屋を開店したとき、メニュー開発からスタッフとシェフのトレーニングまで、大変なプロセスを経験しました。それに加え、陣屋にとっては米国という新しい市場への参入だったため、メニューは顧客に分かりやすく魅力的なものにしなければなりませんでした。現在では2010年の米国進出以来、店は50軒以上に拡大しています。
この14年にわたり、米国消費者に向けて日本の伝統的な味わいと革新的なメニューをもたらす役割を担ってきた武部氏にとってメニュー開発における最大の成果は、ヴィーガンラーメンのラインナップを作ったことです。武部氏が目指したのは、動物性食品を使わず、肉食者を失望させずに、これまでのラーメンのような深みのある味を実現することでした。
「ヴィーガンラーメンはヴィーガンの人たちだけのものではありません」と彼は言います。「他のレストランでは、ヴィーガンメニューはヴィーガン専用で、味気なく食感が異なるため、ヴィーガンでない人は100% 楽しむことができません。しかし、私がそうであるように、我々のヴィーガンラーメンはヴィーガン以外の人も楽しんでくれると思います」。
陣屋ラーメンのメニュー開発は武部氏と高橋氏のチームワークで成り立っています。陣屋にとって重要なのは、品質基準を守ることです。二人で他コンセプトの店で料理を試し、どのトレンドを陣屋に取り入れるべきかを判断しています。武部氏は話します。「他のレストランを単にコピーするだけではなく、日本の味とその他の材料をいくつか取り入れて、より美味しくしています」。陣屋では、期間限定メニューで人気があったメニューが常設メニューへ検討されることが多く、あまり人気が無かったメニューは設計し直して別のメニューとして再投入します。「食材や盛り付けについては、特別メニューからヒントを得ています。それがグランドメニューを作るプロセスです」。
陣屋で料理をしない日は、自宅で家族のために料理を振舞う武部氏。もちろんラーメンが大好きですが、イタリア料理やスペイン料理も好きで、パエリアやパスタも作ります。妻の味覚も、新しいメニューのヒントになります。「妻はいつも正直なフィードバックをくれ、妻のコメントからヒントを得て、新しい料理を作ることもあります」。
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*この記事の全文オリジナルは、Franchise Times(英語版)
Jinya Chef Is Constantly Creating at Japanese Ramen Franchise をご覧ください。
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