2025年、アメリカのホットソースブームがフランチャイズレストラン業界にも影響を及ぼすと予測されています。もともと料理に辛味を求めるヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人のコミュニティに加え、若年層、特にZ世代の辛味への嗜好が、このトレンドを牽引しています。
調査によれば、Z世代の半数以上がホットソース愛好家であり、四人に一人はマイ・ホットソースをレストランに持参するほどです。また、全世代の62%が「スパイシー」と宣伝されている食品や飲料を購入する傾向が強いとされています。
この需要に応えるため、多くのフランチャイズレストランがメニューにスパイシーなオプションを追加しています。例えば、バーガーキングは2024年7月にマイルドから激辛まで選択できる新たなスパイシーメニューを5品投入しました。サンドイッチチェーンのFirehouseSubs(ファイヤーハウス・サブ) には同店のアイコンともいえるホットソースバーがあり、ユーザーは同店がセレクトしたタバスコなど1辛~10辛までの13種類のホットソースをサンドイッチにペアリングできます。このホットソースバーはコロナ禍を機に廃止されましたが、ファンの熱望により昨年秋に復活しました。
ホットソース愛好家たちは、単に辛い味を求めているのではなく、同時に複雑な甘みや深みも求めているようです。また、「スイート&スパイシー」を「スウィーシー」、「スイート&ソルティー」を「スウォルティー」と呼ぶなど、こういった新たな味の組み合わせも注目されています。いわゆる日本語の甘辛(あまから)を指す「スウィーシー」はTikTok発信で特に若年層の間で人気が高まっています。
これらを背景に、ファーストフードレストランは、自社オリジナル要素として、ホットソースをキャンペーンに使用しています。例えば、タコベルの「Diablo Sauce(ディアブロソース)」やChipotle(チポーレ)の「Chipotle Honey Vinaigrette(チポーレ・ハニー・ヴィネガー)」などです。先日フランチャイズタイムズジャパンでも紹介した「Saucy(ソーシー)byKFC」は、このトレンドを汲んでKFCが早くもソース主力のブランドをスピンオフさせたと言えます。また、アメリカで展開するラーメン店のメニューには必ずと言っていいほど、スパイシーなラーメンメニューもしくは辛味スパイスの追加オプションが用意されています。
このように、ホットソースやスパイシーな味への需要は、フランチャイズレストラン業界におけるメニュー開発やマーケティング戦略に大きな影響を与えています。今後もこのトレンドは続き、さらなる革新が期待されます。
情報元:
Fast Food Taps into America’s Hot Sauce Obsession (QSR Magazine)
Food forecast: Looking at trends in the new year (THEBLADE)
Gen Z heat seekers leading hot sauce boom (FOODDIVE)
“Swicy” Takes the Lead: How Tastewise Predicted the Sweet-and-Spicy Boom (tastewise)
Burger King Has 5 New Items on the Menu (allrecipes)
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