近頃フランチャイジーの間で、ひとつの店軒先で2つのブランドを展開するデュアルブランド店舗が注目されています。1店舗で2ブランドを運営することで、より多様な顧客層へアプローチし、売上げの効率化、運営コストの最適化など2ブランド間の相乗効果が見込めるためです。その具体例をNation’sRestaurant News(NRN)が紹介しています。
フローズンヨーグルトブランドTCBYのフランチャイズオーナーであるサム・バット氏は、2025年1月にノースカロライナ州シャーロットで初のデュアルブランド店舗、TCBYとクッキーブランドMrs.Fields(ミセス・フィールズ)の複合店をオープンしました。TCBYとミセス・フィールズはともに、Famous Brands International(フェイマス・ブランド・インターナショナル)を代表するブランドで、同社はフローズンヨーグルトやクッキーの他にもブラウニーやケーキのブランドを展開し、米国外にはカナダ、オーストラリア、香港、モロッコ、パナマ、台湾、バハマにて500店舗以上拡大している国際的企業です。
デュアルブランド店舗のオーナーになったばかりのサム・バット氏がTCBYのフランチャイジーになったのは2010年のことです。当時フェイマス・ブランドがプロトタイプを開始したばかりのセルフサービス型店舗を初めてノースカロライナ州シャーロットに開店し、その後他のフランチャイジーをサポートするエリアデベロッパーとなるなど、TCBYのフランチャイジーとして長い経歴を持ちます。今回、モール入居型の店舗でデュアルブランド店舗を開始したバット氏はNRNのインタビューで、コ・ブランド(デュアルブランド)化がうまく行く理由について次のように答えています。「モールでデュアルブランドをオープンするのは理にかなっています。フローズンヨーグルトとクッキーは季節が正反対で、TCBYは春と夏に忙しく、ミセス・フィールドは秋と冬、そしてホリデーシーズンに忙しくなります。両ブランドを組み合わせるというアイデアは大好評です」。
このように、デュアルブランド店舗では、両ブランドがブランド力を補完しあい、時には若年層に人気のブランドとレトロなブランドを組み合わせることで、歴史あるブランドの再活性化の可能性もあります。また、運営面ではランニングコストを1店舗分に抑えることが可能です。そして、デュアルブランド店舗はショッピングモールや商業施設、フードコートなどでの展開がより効果的と考えられます。
フランチャイズ業界では、ブランドイメージやシステムの維持のため、どの店舗に行っても同じ画一性を持たせることが、ある意味定説ともいえます。また、消費者もその画一性を求めており、その一貫性から安心感を得ている側面もあります。そんな中、フランチャイザーのフェイマス・ブランド・インターナショナルでは、各店舗に個性を持たせることに寛容です。このように店舗に個性を持たせられるかどうかはフランチャイザーにもよりますが、こうした取り組みはフランチャイズ業界全体で注目されており、今後も拡大が期待されています。
情報元:Why this TCBY franchisee is embracing the dual-branded store trend (Nation’s Restaurant News)
Famous Brands International
https://www.famousbrandsintl.com/
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