日本でも都市部を中心にストリートフードとしてお馴染みのケバブサンドですが、多くの人がケバブと言えば中東の国の料理だというイメージを持っているのではないでしょうか。ところが、ピタパンにケバブを挟んだケバブサンドの発祥はドイツにあります。1970年代にドイツに渡ったトルコ人がドイツ人向けにストリートフードとしてケバブをピタパンに挟んで売り出したのが始まりで、その後瞬く間にヨーロッパを席巻しました。
そんなドイツのストリートフード、ドネルケバブをアメリカに持ち込んだのは、DönerHaus(ドネルハウス)創業者兼CEOのニコラウス・フォン・ソロドコフ氏です。彼がアメリカに来た当初ケバブサンドは手に入らず、ドイツ人のフォン・ソロドコフ氏にとってドネルケバブが無い生活は考えられなかったと言います。「ニューヨークで10年過ごし、『よし、ドネルケバブをアメリカに持ってくるしかないな』と思ったんです」と彼は言います。
「ドネルケバブはヨーロッパで一番人気のストリートフードです。ベルリンだけでも1万6000店のドネルケバブ店があり、60億ドル規模の産業を支えています。これは巨大な市場であり、最近ではイギリスでも人気を博しました。そして今、我々はドネルケバブをアメリカに持ち込み、全く未開拓の市場に参入しようとしています。これはまさに新しい試みです」とフォン・ソロドコフ氏は語ります。
2023年に設立されたドネルハウスは、同年7月にマンハッタンのイーストビレッジにオープンしました。ドネルハウスの関係者によると、この旗艦店は初年度の売上高が190万ドル、純利益率は19%でした。2号店は2024年11月にクイーンズ区アストリアにオープンし、3号店はマンハッタン区ヘルズキッチンに近日オープン予定です。これまでに1,000件を超えるフランチャイズの問い合わせがあり、最初のフランチャイジーは2店舗の複数店舗開発契約を締結しました。また、ロサンゼルスを拠点とする投資家グループは、20店舗の契約を締結しています。
金融のバックグラウンドを持ち、飲食業界の経験が無いフォン・ソロドコフ氏は、ドネルハウス1号店のオープン前、シェフたちにドネルケバブのレシピを開発してもらうと、ドイツ大使館と領事館の職員を試食に招待しました。「我々のレシピがドイツクオリティーであり、本場のドイツの味であることを確認するためでした」。フォン・ソロドコフ氏は当初からフランチャイズ展開を目指していました。「テック系スタートアップのように運営するというのがコンセプトでした。ドネルハウスの運営は極めて合理化されています」。
徹底的に簡素化した店舗
店内飲食スペースを排除し、テイクアウトとデリバリーに注力します。これにより経費の削減、運営の簡素化、一折の多いエリアの優良なスペースを確保できます。
シンプルなメニュー
シンプルながらも充実したメニューで、フライドポテト、肉たっぷりのケバブサンド、炭水化物を抜いた野菜と肉だけのケトボックスなど、様々な需要に応えます。質の高い商品を厳選することで効率的な運営を維持しながら、あらゆるライフスタイルにアピールできます。
テクノロジーと自動化
在庫管理、キオスクとオンライン注文、自動ロイヤリティ追跡、フランチャイズダッシュボードなど、あらゆる機能を独自の技術で実現しています。自動化システムによって作業が簡素化されるので、シフトごとに 必要になるのは1~ 2 人の調理スタッフのみです。
比類のないフランチャイズ料
高い収益性、低い経費、そしてスケールメリットを重視したモデルで加盟店に適正料金と包括的なサポートを提供します。
ドネルハウスの看板には、「リアル・ジャーマン・ケバブ」の文字がデザインされています。本場ドイツの味がアメリカを席巻する日も近いかもしれません。
情報元
New QSR Franchise Introduces Döner Kebabs to the U.S. withStreamlined, Tech-Savvy Model(FranchiseWire)
ドネルケバブ(ドイツ)トルコ移民と共に社会に浸透(日本経済新聞)
ケバブとは?トルコ人が教えるケバブのすべて(TURKISHAir&Travel)
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