

アーサー・マレー氏が社交ダンスの指導を始めたのは1912年。以来、世界20カ国に300以上のスタジオを展開するアーサー・マレー・ダンス・スタジオは、2024年12月にプライベートエクイティ会社クラリオン・キャピタル・パートナーズと提携し、プロダンサーのゲイリー・エドワーズ氏がCEOに就任しました。
エドワーズ氏は、ジャネット・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストン、MCハマーなど、多くの著名人と共にダンスを披露してきました。大規模なダンスコンテストでの優勝経験を持ち、ダンスの審査や指導、さらには映画やテレビへの出演も果たしています。特に印象深い逸話として、ブルネイに住んでいた頃にブルネイ女王の誕生パーティーでマイケル・ジャクソンにチャチャを教えたことがあります。
華々しいダンス経験を持つエドワーズ氏は、アーサー・マレーのCEOに就任する前、20年以上前からスタジオのブランドアンバサダーとしてこのブランドに関わっていました。その時に、2024年まで60年以上アーサー・マレーを率いたフィリップ・マスターズ前CEOと知り合いました。エドワーズ氏は言います。「恐らく、当時から彼は私にいつかアーサー・マレーを率いてほしいと思っていたのでしょう。そして、私が起こすであろう変革についても話し合っていたため、これから起こる変化をよく理解していたと思います。」
CEO就任後、エドワーズ氏にとってチームの再構築は最優先事項でした。営業やマーケティング部門には、当時のアーサー・マレーには主要メンバーが不足していました。それ以来、スクール・オブ・ロックの元チーフ・デジタル責任者トニー・パドゥロ氏をチーフ開発責任者に迎え、長年アーサー・マレーの加盟店であるキンバリー・キャロル氏を経営副社長に起用するなど、チームメンバーはほぼ倍増しました。
加盟店との関係構築の強化、フランチャイズ開示文書の見直し、テクノロジーとマーケティングへの投資、さらには1950年代から1960年代に放送されていたダンスバラエティ番組『アーサー・マレー・パーティー』に倣い、テレビへの復帰など、再生に向けた取り組みを進めています。
また、ノースフロリダ大学と提携し、現役のプロダンサー向けに「ライフスタイルマネジメント」を専門とするヘルスケアマネジメントの学士号を提供しています。このプログラムには、アーサー・マレーでの教育インターンシップが含まれており、学生はフランチャイズオーナーになる方法を学ぶことができます。
エドワーズ氏は、こうした投資がアーサー・マレーを一流のフランチャイザーに再生するための鍵であると考えており、成長の兆しも見えてきました。2025年の新規オープンは少なかったものの、2026年の第一四半期には20店舗をオープンする予定です。
「経営がうまく行っていない加盟店をみんなで一丸となって支援しており、そして、支援できる立場にあると思います。今までとの大きな違いは、アーサー・マレーの歴史上初めて、外部から人材が入ってくる好機であるということです」。
日本では、一部の人々の高度な趣味というイメージが強い社交ダンスですが、アメリカでは高校生のプロムや結婚式でのダンスなど、多くの人が人生の中で一度は社交ダンスに触れる教養のひとつとなっています。これまではブランドネームに頼っていた往年のフランチャイズに対し、新CEOのエドワーズ氏が外部からの人材を迎え入れることで新たな風を吹き込みました。また、大学と提携して人材育成に取り組むことは非常にユニークです。これは、ダンサーの経済的自立を支援し、社会的にも非常に意義深い取り組みではないでしょうか。
情報元
Arthur Murray Dance Studios Steps Into Growth Reset
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