

シニア向け在宅介護サービスを提供するA Place At Home(ア・プレイス・アット・ホーム)が 、スイスに本社を置く国際的な在宅介護サービスプロバイダーDovida(ドヴィダ)に買収されました。ドヴィダは、スイスをはじめオーストラリア、フランス、アイルランド、オランダ、ニュージーランドで事業を展開しており、アメリカは7番目の海外進出先です。
ア・プレイス・アット・ホームは2012年にダスティン・ディステファノ氏とジェロッド・エヴァニッチ氏が創業した、非医療領域の在宅介護サービスです。2017年にフランチャイズを開始し、これまでに55店舗をオープン済みです。付き添い、生活サポート、送迎と、サービス内容は他の競合と比較しても一般的ですが、ケアギバーと利用者の人間関係を重視した質の高いサービスで知られ、その価値観がドヴィダの戦略に合致し、今回の買収に至りました。
この買収の注目すべき点は、今後もア・プレイス・アット・ホームの名前はもちろん、既存の経営陣やブランドが維持される方針であることです。ア・プレイス・アット・ホームのエヴァニッチCEOは「成長は常に私たちのビジョンの一部でした」と述べています。ドヴィダ社の資金援助と、グローバルで3万人の高齢者に在宅非医療サービスを提供してきた実績が、ア・プレイス・アット・ホームを次のフェーズに前進させると確信しているようです。
業績の良い加盟店は、事業売却によってフランチャイズシステムから離脱できる「ドヴィダ・コーポレート・バイバック・プログラム」が開始するなど、既存の加盟店オーナーも今回の買収に期待を寄せています。
アメリカの在宅介護分野において、複数のブランドが既にフランチャイズ方式で実績、店舗数共に確立された地位を築いています。このような中、ドヴィダはア・プレイス・アット・ホームの大規模な拡大計画を掲げており、今後2~3年で店舗数を現在の55店舗から100店舗以上に倍増させる計画です。また、競合他社がターゲットとする大都市圏ではなく、サービスが行き届いていないアメリカの中規模都市圏市場をターゲットに重点的に拡大する方針です。 ドヴィダ・ノースアメリカのマイク・ボイヤーCEOはこの拡大計画を「かなり積極的な成長目標」と認めており、「我々の焦点はまさに地域レベルにあり、基本に立ち返ることにあります」と述べ、地域密着型でブランド力を高めることを掲げています。
米国シニア向け介護プロバイダーフランチャイズは今、魅力的な買収対象になっています。レバイン・ライトマン・キャピタル・パートナーズはシナジー・ホームケアを買収し、ピーク・ロック・キャピタルはブライトスター・ケアを買収しました。また、1月にはメイン・ポスト・パートナーズがホームウェル・ケア・サービスを買収したと発表しました。
日本において在宅介護サービス事業がフランチャイズ展開している事例はあるものの、今のところ限定的です。一方アメリカの在宅介護事業はフランチャイズ化され、さらにグローバル企業やプライベートエクイティによる買収対象となるなど、投資可能なビジネスとして成立している点が対照的です。
日本では公的介護保険制度があるため、多くの介護サービスはこの範囲内のサービスをシニア向けに提供しています。介護保険適用外とみなされるサービス、例えば長時間の見守りやペットの世話、趣味目的の外出同行などは介護タクシーや、家事代行サービスなどの形で断片的に存在しており、アメリカのように一体的なビジネスとして成立しているとは言い難いのが現状です。こうしたサービスを統一することで、アメリカのようにスケーラブルなビジネスへと発展する余地があるとも考えられます。
情報元
A Place At Home Acquired By Large International Home Care Service Provider(Franchise Times)
A Place At Home
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