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【NY便り】抹茶に熱狂する人たち: NYの抹茶ドリンクを比較

I Fujita International

ニューヨーク、マンハッタンの街角でマッチャドリンクは今や欠かせない存在です。しかしアメリカ人の“マッチャ”の楽しみ方は、抹茶の苦みと旨味を楽しむ我々日本人とはかなり違うようです。トレンドを吸収しようとマッチャをトライする州外からの観光客も見受けられ、どのマッチャドリンク専門店もお客さんの出入りが絶えません。「マッチャ!」と興奮気味に話す人を度々見かけ、抹茶が今トレンドの最先端であることを実感します。

マンハッタンのカフェやベーカリー前に立てられたマッチャドリンクの看板

街のカフェやベーカリーの店先にマッチャドリンクを取り扱う看板を見かけるのは当たり前になりました。抹茶をミルクや各種ジュースと割って提供するのが主流です。アメリカ人の知人に「日本人はストレートで飲むんでしょう?それは無理かな…」と言われたことがありますが、そう思っているのはこの友人だけではなさそうです。

 

Cha Cha Matcha

2016年に当時NYUを卒業したばかりの2人が立ち上げたCha Cha Matcha(チャチャマッチャ)の登場は新鮮でした。店はピンクに緑の差し色が印象的な南国ムード漂うお洒落カフェで、茶筅が取り付けられた電動デバイスで抹茶を撹拌し提供するスタイルを初めて見たとき、筆者は驚きを隠せませんでした。

開店当時からマッチャの割ものとしてレモネードやココナッツウォーターなどを使用しており、アメリカを代表する飲料ともいえるレモネードや健康的でサステナブルなイメージの強いココナッツウォーターを掛け合わせることで、アメリカ市場にマッチャを紹介しブランドのイメージを構築してきました。またコーヒーメニューも揃えることで、カフェ店舗の幅を持たせているのも特徴です。

現在はより滑らかな口当たりのニトロマッチャや、ウェルネス・スムージーなどのメニューもあります。チャチャマッチャはLAとNYで11店舗を展開中です。

Matchaful

2017年にブルックリンにポップアップで登場したのはMatchaful(マッチャフル)です。その後ソーホーに常設店舗を構えました。抹茶の品質や健康へのこだわりを打ち出し、落ち着いた和のテイストも感じられるお店で、登場した当時はスタッフが目の前でサプリメント効果のある材料を各種調合してくれる様子を見せる提供スタイルで、美容と健康意識の高いブランディングが印象的です。

GABA、ラベンダーエキス、マキベリーなどのサプリが入ったメニューはどれも見た目にもカラフルでいかにもSNS映えしそうです。最近ではインフルエンサーコラボの期間限定フレーバーや季節限定フレーバーもあるようです。私はこの日、アメリカで日本人が共同創業者として作ったブランドいちごOishii Omakase Berryが入った色鮮やかなマッチャドリンクを選びました。

現在マッチャフルはマンハッタンとブルックリンに7店舗を展開しています。

Matcha Café Maiko

こちらは最近マンハッタンで見かけるようになったマッチャドリンクのお店です。調べると2016年に日本人がハワイで始めたお店で、今ではマンハッタンで2店舗、クイーンズで1店舗、さらにカリフォルニア、オレゴン、アリゾナ、ジョージア、ヴァージニア、ノースカロライナ、マサチューセッツ、ニュージャージー、ペンシルベニア、フロリダ、テキサス、カナダにも進出しています。

このお店ではタピオカやソフトクリーム、パフェなどのメニューで、ヘルシーさよりもデザートやスナック、スペシャリティードリンクのカテゴリーでマッチャを展開しているのが特徴です。メニューにはたい焼きや8種類ものおにぎりも並びます。

有名な観光スポットのロックフェラーセンター内に出店しているので、観光のついでにここで流行りのマッチャとオニギリを味わえるというわけです。

まとめ

健康飲料としてアメリカに紹介され、近年の健康・ウェルネスブームや、クイックサービス業界におけるドリンク分野の成長、SNS映えする見た目により、コーヒーの代替品としてマッチャはアメリカの大衆に受け入れられています。こうした海外での大ブームが日本国内の供給を脅かす事態にまで発展していることは無視できませんが、日本国外で抹茶の生産が支えられるようになるなど、日本のブランドが維持されつつ、体制が整うことで、世界中でマッチャが楽しまれる時が来るとよいと思います。

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